まずは洛陽をご紹介
中国の歴代王朝の都と言えば、長安(今の西安)と並んで有名なのが洛陽ですよね。
現在の中国では洛陽は河南省(省都は鄭州)になります。
洛陽は河南省の西部にあり、黄河の中流にあたり、洛陽付近には黄河、洛河、伊河、澗河、瀍河などが流れています。
また地理的にも東に虎牢関、西に函谷関、北に邙山、南に伏牛山があり、防衛の視点でも地の利があったため、東周・後漢・三国の魏・西晋・北魏・隋・後唐など歴代九王朝が都をおいたことから、九朝の古都と呼ばれています。
洛陽で有名な観光スポットと言えば龍門石窟です。
洛陽の龍門石窟は甘粛省敦煌の莫高窟、甘粛省天水の麦積山石窟、山西省大同の雲崗石窟と並んで中国四大石窟と言われています。
スケールが大きく本当にすごい内容なので、前編・中編・後編の3回に分けてご紹介します。
龍門石窟の入り口
洛陽市内からバスで1時間15分くらいで龍門石窟に到着します。
バス停から少し行くとお土産物屋さんなどにぎやかな場所が見えてきます。
龍門石窟の入り口周辺はこんな感じでお土産物屋さんなどがならんでいます。
人がたくさん集まっているところがありました。
ここ龍門石窟は2000年に世界遺産(世界文化遺産)に登録されています。
中国でも全国重点文物保護単位になっており、国家AAAAA級(=最高級)の観光スポットです。
その世界遺産記念碑の前でみなさん写真を撮っていたわけです。
ついにやってきました。
龍門石窟の入り口です。
入り口は橋になっていて、その橋の下をくぐって入場です。
入り口を通って中に入ってから橋を撮影した写真です。
(何気ない風景ですが、きれいなので個人的にはお気に入りの1枚です)
この龍門石窟は伊河の両岸の龍門山と香山に石窟が彫られています。
この写真の手前が龍門山側、向かい側が香山側でその間に橋がかかっています。
この龍門石窟は北魏の時代から、隋、唐、五代、宋など400年余りをかけて建設されてきました。
現存するもので2,345の石窟、10万余の像、碑や彫刻などが2,800余あるようです。
この西山石窟は約1kmにわたり石窟が彫られています。
伊河沿いに道があり、進んでいきます。
人気観光スポットなので、この日も多くの観光客がいました。
龍門石窟の観光マップ
龍門石窟の観光マップです。
このマップの中央に伊河が流れています。
マップの上側が西山石窟、下側が東山石窟となっており、見どころが点在しています。
まずマップの右上から左上に西山石窟側を紹介し、その後、東山石窟側に橋でわたり、東山石窟側を紹介していきたいと思います。
潜渓寺
まず最初に潜渓寺をご紹介します。
石窟は高さ約9m、横幅約9m、奥行約7mの大きさです。
今から約1,300年以上前になる唐の時代に彫られた石窟です。
蓮の花のような模様が彫られています。
字が彫られて残っているところもあります。
外側の山壁にもいくつも小さな石窟がたくさん彫られています。
小さな石窟の入り口の周囲も仁王像のようなものが彫られ、中にも彫られています。
場所によっては地上からの高さがあったり、中が狭いことなどもあり、なかなか作業しにくい環境だったかもしれません。
大きな石窟にも驚かされますが、小さな石窟の数にも驚かされます。
小さな石窟も龍門石窟全体を通じてかなりの数がありますし、かなりの広範囲に点在しています。
賓陽三洞
「賓陽三洞」は北魏の時代に建設が開始されたようです。
北魏の宣武帝が父親の孝文帝のために建設したもので、西暦500年頃から着工されたものです。
「賓陽三洞」は「賓陽中洞、南洞、北洞」の3つからなるのですが、中洞以外の南洞、北洞は唐の時代になってから完成したようです。
石窟に入る入り口の両側にある石窟の高さと同じくらいの大きな像もあります。
その大きさに圧倒されます。
賓陽中洞、かなり大きな石窟です。
色もうっすらと残っています。
アップの写真です。
足元にも二匹の動物がいます。
賓陽南洞に碑が残っています。
非常に貴重なもののようです。
碑の解説がありました。
伊阙佛龛之碑という名前で、西暦641年の唐の時代の初期の楷書、初唐四大書法家の一人の褚逐良の作品のようです。
賓陽南洞です。
1つ1つの石窟だけで十分すごいのですが、大規模な石窟が何個も続くのには正直すごく驚かされました。
川沿いの道とは別に、上に登る参観用の通路があり、上部に彫られた石窟も見ることができます。
上部の方の石窟はこんな感じです。
小さなものも含めるとかなり多くの像が彫られています。
摩崖三佛龕
摩崖三佛龕には全部で7つの仏像があり、そのうち立っているものが3つ、座っているものが4つあります。
見ていてはあまりわかりませんが、このあたりの仏像には完成していない部分もあるようです。
半完成のものも石窟製作の工程を理解するためには貴重な情報源となっているようです。
佛手牡丹石
洛陽は奇岩の牡丹石の産地として有名です。
この牡丹石ですが、なんと3~4億年かかってできると言われています。
模様が確かに牡丹のように見えますね。
この大きさのきれいな牡丹石は確かにすごい!
この石は仏様の手の大きさほどもあるのできっと貴重なものだと思います。
良いものみたなあという気持ちになりました。
ふと、足元を見たら、こんなデザインだったので、写真をとってみました。
伊河の風景
伊河の風景です。
川の水もゆっくりと流れていて、見ていて落ち着きます。
遊覧船もあるようです。
こちらは遊覧船のアップです。
入り口付近にあった橋のあたりの風景を撮ってみました。
西山石窟側から見た香山寺です。
香山寺は後編でご紹介します。
実は「洛陽 龍門石窟」はまだまだこれからがすごいのです。
続きの「洛陽 龍門石窟(中編)」 「洛陽 龍門石窟(後編)」はこちらへ
洛陽 龍門石窟の観光情報
- 住所:河南省洛阳市洛龙区龙门镇
- 景点級別:AAAAA
- 入場料:90元
- 営業時間:旺季:4月1日~10月7日 7:30-22:00、10月8日~10月31日 7:30~18:00
- 営業時間:淡季:2月1日~3月31日 8:00~18:00、11月1日~1月31日 8:00~17:30
- 観光時間目安:1日
洛陽 龍門石窟の交通アクセス・行き方・地図
- バス(龙门石窟)・・・53路、53路/k53路、60路、71路、81路、99路、167路、v9路
洛陽 龍門石窟のワンポイントアドバイス
- とても多くの見どころが点在していますので、1日かけてじっくり観光した方が良いと思います。
- かなり歩きますので運動靴などで行かれた方がよいと思います。
- 市内からはバス一本で行けます。交通状況にもよりますが、市内中心部から1時間15分ほどかかります。