日露戦争の激戦地、大連の旅順の二百三高地に行ってきました。
海抜203mであることから二百三高地と名付けられたようです。
大連市内からは地下鉄を乗り継いで旅順までは比較的簡単に行けます。
(ちなみに旅順は大連市旅順区です)
旅順から二百三高地まではおすすめできる公共交通機関がないのでタクシーが無難です。
というのも二百三高地はご存知の通り、日露戦争の激戦地です。
日本人には歴史的に関心が高い場所ですが、中国人にとって観光で人気の場所ではありません。
なので気の利いた二百三高地観光用のバス路線なんかも見つかりません。
私が行った日もお年寄りを中心とした日本人の観光ツアーの人たちが多く来られていました。
感覚的に観光客の9割以上が日本人だったように思います。
二百三高地の入り口
地下鉄12号線の旅順駅のタクシー乗り場で「二百三高地」と言えば、ここまで来れます。
乗車時間は15分くらいでした。
入り口付近に比較的大きな駐車場があり、この駐車場までタクシーで入れました。
日本人向けの団体ツアーの観光バスが何台か止まっていました。
入り口の右側にチケット売り場があります。
二百三高地園内の観光車の乗車に片道10元のチケットが必要です。
中国の観光地によくあるパターンですね。
入り口はこんな感じです。
検札もありませんでした。
園内の観光車で、中腹まで移動
園内に入ってすぐのところに観光車の乗り場があります。
観光車はこんな感じです。
運転手さんにチケットを見せて乗ります。人が集まって、ある程度満員になったら出発です。
観光車で上にあがるとこの駐車場が終点です。
途中に停留所はありません。
入り口の駐車場よりもかなり小さめの駐車場です。
園内の中の駐車場なので、一般の車は入れないと思います。
この案内板がありますので、これに従って、これより上は徒歩となります。
「尔灵山塔」などの名所はすべて左の山道を登っていく必要があります。
あとどれくらい距離があるのか書かれていないのが残念ですね。
山道はこんな感じです。舗装はされています。
勾配もそれなりにありました。
ここまで来たので登らないわけには行かないのですが、どれくらい時間がかかるのか、あるいはどこれくらい距離があるのかまったくわからないので、ちょっと不安でした。
下りてくる人に「あとどれくらいですか?」って聞いてみたら、「あと半分くらいだよ」って教えてもらえたので、少しほっとしました。
この場所まで来たら、ほぼ到着で、あともう少しです。
観光車の降り場から15分くらいかかったと思いますが、距離はさほど長くありません。
山頂付近の案内板です。
右に行けば「尔灵山塔」、左に行けば「重砲観測所」です。
またこの地は乃木希典の次男の乃木保典が戦死した場所でもあります。
二百三高地の重砲観測所
重砲観測所の石碑がありました。
中国語、英語、ロシア語、日本語、韓国語で書かれています。
重砲観測所の解説もありました。
中国語・英語・日本語で書かれています。
日本式の280ミリ榴弾砲の石碑です。
日露戦争時に日本が使った大砲です。
大砲の重さは10.753t、砲弾の重さも217kgあるとのことです。
大砲を後ろから見た写真です。
この二百三高地から旅順港の方角に向いて、大砲は設置されています。
大砲の前からの写真です。
大砲の前から見た旅順港です。
直線距離で旅順港まで約4㎞ですが、射程が7,800mもあったので旅順港まで届くようです。
旅順港部分の拡大写真です。
確かに旅順の街と旅順港が一望できます。
二百三高地から南東の方向に当時の旅順港がありますが、旅順港は天然の良港で冬でも凍らない不凍港なため、ロシアもここを拠点にしていました。
また地理的にも老虎尾の狭い部分を通らないと港の中に入ってこれないという地形になっており、日露戦争時にこの旅順港の争奪戦が日本とロシアの間で繰り広げられました。
この日も暑い日でしたので、重砲観測所のところにアイスクリームを売りに来ていました。
二百三高地の頂上にある尔灵山塔
「尔灵山塔」の標識です。
203を中国語読みすると er ling sanですが、その音とよく似た漢字をあてて、尔灵山 er ling shanと名付けられたと聞きました。
頂上まであとわずかです。
この道を登れば尔灵山塔に到着です。
遠くの方に塔が見えています。
大連人民政府の二0三高地の石碑です。
こちらは遼寧省の石碑です。
旅順口の日露戦争遺跡と書かれています。
尔灵山塔の石碑です。
二百三高地の頂上に建てられている尔灵山塔です。
乃木希典が戦争で命を落とした兵士たちのために砲弾の残りなどで高さ10.3mの塔を建てて、慰霊をしたと言われています。
日本語的には爾霊山(にれいさん)で「お前の霊の山」という意味になります。
ロシア式150mmの大砲もありました
ロシアの大砲も置かれていました。
こちらはその解説です。
日本のものと比べると、かなり口径が小さく感じました。
確かに280mmと150mmでは倍近く変わりますね。
一度行ってみたかった旅順の二百三高地、いろいろ感じるところがありました。
ぜひ大連を訪れて時間がある方は二百三高地まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
二百三高地の観光情報
- 住所:遼寧省 大連市 旅順口区
- 入場料:不要(ただし、観光車は片道10元が必要なので、往復で20元は必要)
- 観光時間目安:1時間半程度
二百三高地の交通アクセス・行き方・地図
- タクシー・・・地下鉄12号線 旅顺(旅順)駅からタクシーで15分程度
二百三高地のワンポイントアドバイス
- 映画「二百三高地」とかドラマ「坂の上の雲」を見たり、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を読んでから行くと感じ方がかなり違うと思います。
- 旅順の観光地は広範囲に散らばっているので、大連からのツアーを利用するのも良い(ツアーは現地中国人向けと日本人向けがあるので間違わないようにしてください)
- 自力で行く人は事前によく調べて、うまくタクシーを利用した方がよいと思います(地図ソフトで正しく場所や行き方が出ない場合があります)