瀋陽の故宮は1625年に建てられた後金時代の皇帝ヌルハチとホンタイジの皇居で、専有面積は約60,000㎡(北京の故宮の約12分の1)、建築物は114、部屋は約500です。
北京に遷都する前の宮殿で清朝の発祥地と言われています。
ヌルハチは女真族で、後金の創始者かつ清の初代皇帝と言われています。
ホンタイジはヌルハチの死後、清(後金)の第2代皇帝となった人物です。
瀋陽の歴史はヌルハチとホンタイジなしでは語れないほど有名な人物です。
地下鉄での行き方(怀远门駅から10分ほどで到着しました)
私は3回ほど瀋陽の故宮に行きましたが、ここでは地下鉄での行き方をご紹介します。
地下鉄での最寄駅は「怀远门」駅ですが、駅を出て、東(正確には東北東)にすぐにこの写真の怀远门が目に入ると思います。
この怀远门を入ってください。
怀远门は1631年に建築され、昔も今も瀋陽の城内の入り口のランドマークになっています。
この怀远门は沈阳路(瀋陽路)の西端です。
あとはこの沈阳路(瀋陽路)をまっすぐ歩いていけば7~8分で瀋陽故宮に到着します。
地下鉄の「怀远门」など沈阳路(瀋陽路)の西側から来れば故宮の駐車場が最初に見えます。
世界文化遺産 瀋陽故宮
1961年に中国の全国重点文物保護単位に、2004年に「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」として世界遺産(世界文化遺産)に登録され、2017年に中国の第三批国家一級博物館に指定されています。
瀋陽故宮の外側の門です。
(ここは入り口ではありません)
瀋陽故宮の前から東側を見た景色です。
遠くに「抚近门」が見えています。
瀋陽故宮の入り口(チケット売り場)
これが瀋陽故宮の入り口です。
入り口の看板のアップです。
瀋陽故宮の観光ルート地図(ガイドマップ)
入り口付近に瀋陽故宮の観光ルート地図がありました。
故宮内の建物の位置と効率的な観光ルートが矢印で案内されています。
瀋陽故宮は東路、中路、西路の3つの地域に分けられます。
このマップ上では右側が東路で、真ん中が中路、左側が西路です。
東路はヌルハチ時代の建物で故宮の中では最も古い建築物です。
大政殿や十王亭などがあります。
中路はホンタイジ時代の建物で、崇政殿、清寧宮、鳳凰楼などがあります。
西路は離宮時代の建物で、文溯閣などがあります。
日本語の解説があるのはありがたいですね。
写真では見にくいですが、瀋陽故宮の模型も展示されていました。
大清門
瀋陽故宮の入り口を通るとすぐに「大清門」があります。
北京の故宮同様、看板は漢字と満州文字の併記となっています。
大清門の解説文です。
清という国を門の名前に用いています。
崇政殿
大清門をくぐり、まっすぐ行くと、この崇政殿が目に入ると思います。
階段の真ん中は保護されていますが、皇帝が通る道として一般人は通ることができません。
この崇政殿は中路の正殿にあたり、ホンタイジが執務を行っていたと言われています。
崇政殿の内部の様子です。
縦のショットです。
横のショットです。
横に置かれている調度品を撮りました。
3本の脚が象の鼻のようになっていたり、細部にも凝られています。
玉座のアップ写真です。
当時のものが残っており、歴史的にも興味深いものが多くあります。
龍の部分の拡大写真です。
外壁にも龍があり、そのアップ写真です。
「东掖门」をくぐり、中路から東路へ入ります。
东掖门の扉ですが、北京の故宮と同じく、縦に9個×横に9個となっています。
中国では奇数が陽数、偶数が陰数と考えられており、奇数の最大数9は皇帝を意味しています。
大政殿
東路のメインとも言える大政殿です。
この大政殿は正殿で、八角形の特徴のある形をしています。
草原地域で使われる移動式のテントのゲルがデザインのモデルと言われています。
そういう意味でも満州族の特徴が色濃く出た建築と言えます。
遠目から大政殿を撮ったショットです。
少し近づいたショットです。
大政殿の全体のショットです。
入り口の左右両側の柱に金色の龍が巻き付いています。
縦のショットです。
中央の皇帝の道です。
一般人は通ることができませんでした。
今は保護のため、カバーがかけられている場合もあります。
大政殿の内部のショットです。
玉座部分のアップ写真です。
大政殿を斜め前から撮影した写真です。
大政殿後ろ側からの写真です。
大政殿は八角形なのでどの角度から見ても同じように見えます。
大政殿の屋根の上をよく見ると動物たちが並んでいました。
珍しかったので撮影しました。
十王亭
十王亭は大政殿のある広場にある10個の建物で、右翼王(右大臣)と左翼王(左大臣)のそれぞれ1つ、計2つの執務室と八旗亭(鑲黄旗亭、正黄旗亭、正白旗亭、正紅旗亭、鑲白旗亭、鑲紅旗亭、正藍旗亭、鑲藍旗亭)と呼ばれる8つの建物から構成されています。
この写真の左側が大政殿ですが、その右側にあるのが十王亭です。
大政殿から見た十王亭です。
左右それぞれにあります。
十王亭の中の展示物
十王亭の中には展示がされています。
肖像画の左側がヌルハチ、右側がホンタイジです。
当時の道具などが展示されています。
当時の頭にかぶる甲や衣服などです。
比較的に歴史が近代に近いので、情報や遺物が多く残っているのだと思います。
1つ1つの展示は多くはないので、せっかくなので、一通り見学されることをおすすめします。
瀋陽故宮の石碑など
いろいろな建築物の周囲にいろんな石碑がありますのでご紹介します。
大きな水瓶みたいなものもありました。
当時の大砲です。
石柱でしょうか。
石碑もありました。
壁に森と動物などが彫られています。
この石碑は三重の塔のような構造になっています。
江南式の庭園によくあるような石もありました。
鳳凰楼
故宮の中心にある鳳凰楼です。
鳳凰楼は瀋陽故宮の中で最も高い建物で高台の上に建設され、三層の構造になっています。
山岳部に住んでいた満州族の習慣では部族の首長の家は周囲が観察できる高いところに建てられたようです。
縦の写真です。
入り口のある高さからさらに階段を20段くらい登った高台に立てられています。
鳳凰楼の解説です。
中国語や英語の解説に比べて、日本語の解説がちょっとはしょられすぎ感がありますが。
清寧宮
清寧宮は皇帝と皇后の寝室と側室の寝室などが集まっている皇帝とその家族の生活空間です。
清寧宮、関雎宮、麟趾宮、衍慶宮、永福宮などに分かれています。
大部分は中が見学可能になっています。
居間のようにくつろぐ空間なのでしょうか。
仏壇がおかれているスペースです。
超豪華というイメージはあまり感じず、親近感を感じる面が多くありました。
赤ちゃん用のゆりかごのようなものです。
当時の中国の寝室です。
こちらも寝室です。
肖像画がありましたが、当時はこのような服装だったのでしょうか。
文溯閣
文溯閣はもともと「四庫全書」が収められていた場所のようです。
「四庫全書」の運復記の碑というのもありました。
瀋陽故宮その他
一番奥にも少し見学する場所がありました。
小麦などを引いて粉にする道具などが展示されていました。
瀋陽 故宮の観光情報
- 住所:沈阳市沈河区沈阳路171号沈阳故宫内
- 入場料金:60元
- 営業時間:8:30~17:00
- 観光時間目安:1~2時間
瀋陽 故宮の交通アクセス・行き方・地図
- 地下鉄(1号線)・・・怀远门(610m)
- バス 故宫西华门(118m)・・・118路、132路、140路、213路、215路、222路、222路复线、228路、251路、276路、276路复线、287路、290路、292路、296路、环路
- バス 中街(162m)・・・118路、132路、140路、213路、222路、222路复线、251路、276路、276路复线、287路、290路、292路、296路、环路
瀋陽 故宮のワンポイントアドバイス
- 北京の故宮ほど広くないので、まわりやすいと思います。
- 瀋陽にあるので、そもそも瀋陽の冬はものすごく寒いので、観光する時期は選んだ方がよいです。